ユウうさぎ。

とある処に、一匹のウサギがいました。
名前はユウ。
以前はいじめられっ子でしたが今は森のみんなが知ってるくらい強い子になりました。
友達もできました。
狐のシンちゃんと犬のショウゴ君です。
3人はいつも一緒。
3人が仲良くしているところを見ると心が和みます。

そしてユウには憧れの人がいます。森のカリスマと呼ばれる狼のイザワさんです。
昔、ヘビのヨシイさんに絡まれているところを助けてくれたのです。その時からユウは
イザワさんの事が大好きになりました。

「なあユウ、お前好きな奴とかいないのか?」
ある日、狐のシンちゃんがユウにたずねました。
「え?好きな人??よくわからないや」
ユウは答えます。
「ほら、一緒にいてドキドキする人とか」
「んー、好きとかわからないけど、一緒にいてドキドキするのは、狼のイザワさん」
「お前、それは食べられないかって、心配でドキドキしてんじゃねーのか?」
「そうかな…」
たしかにユウはウサギでイザワさんは狼。
向こうは肉食です、そんな心配でドキドキしているのかも知れません。
「あ、シンちゃんは?好きな人とかいないの?」
ユウは言いました。
「ん?オレ、そうだな…いるよ」
「えっ誰?」
ユウは耳をピンとのばして聞きます。
「なんか、コロコロしてて、いつもは無愛想なくせに懐いてくれてる」
デレーっとシンちゃんは惚気ます。
「なんか幸せそうだねシンちゃん」
「おうっ」

そんなシンちゃんと別れてユウは森に出かけました。
今日は満月、こんな明るい夜ならイザワさんに会えるかと思って。

森につきました。
「お、カミシモじゃないか」
「あ、イワドさん」
声をかけてきたのはパンダのイワドさんです。
なかなかユウの名前を覚えてくれません。
「あの僕、探している人がいるんですけど」
「なんか食い物は?」
「えと、これでよければ」
差し出したのは森一番と言われるお店のパンです。
「で?誰を探ひてる?」
ユウからパンを受け取りモグモグと食べながらイワドさんがたずねます。
「狼のイザワさんを」
「あぁ、あのロン毛の兄ちゃん」
「知ってますか?」
「悪い、今日は見てない」
「そうですか」
ガッカリと肩を落としたユウをみてイワドさんが言いました。
「このパン作った奴に聞いてみたらどうだ」
「え?」
「この頃二人でいるところをよくみるな」
「あ、ありがとうございます!」
ユウはイワドさんに頭を下げるとパン屋に向かって走りだしました。
「おう、お前、不良狩りの神代じゃねーか?」
ユウに声をかけてきたのはやんきーと呼ばれる人達です。
「僕は先を急いでるんです、どいてくれませんか?」
「いやだね、相手してもらおうか」
「くっ」
相手は5人、ユウが強いからといって相手にできる数ではありません。
どうしようか、と考えていたら
「神代、またお前からまれてるのか?」
と後ろで声がしました。
「ショウゴ君!」
「手伝うぜ?」
犬のショウゴ君とならユウは相手が5人でも負ける気はしません。
「オレが2人引き受けた、お前は3人、一撃で倒せよ」
「うん!わかった!」
今日ユウは拳を固めて来ていません、なのでピョンと飛び跳ね蹴り!
鮮やかに倒していきます。
「セイッ!」
ショウゴ君もあっさり2人倒してしまいました。
「ありがとうショウゴ君助かったよ」
「いや、そういやお前急いでたんじゃねーのか?」
「あっ、うん!パン屋さんに行こうと思って」
「あのオヤジの所にか?」
「聞きたい事があって」
「うーん…」
ショウゴ君が首をかしげて考えます
「オレもついていってやるよ、パン屋まで結構あるし」
「あ、ありがとうショウゴ君!」
ユウとショウゴ君はパン屋に向かって歩き出しました。
30分ほど歩いてパン屋につきました。
カランカラン
「いらっしゃいませ〜」
「こんにちは」
「おう、神代とショウゴじゃねーか」
声の主は森1番のパン屋の主人、コアラのツチヤさんです。
「神代が聞きたい事あるんだってよ」
「あ、あの僕、人を探しているんです」
「あぁ、イザワの野郎か?」
「「なっ!?」」
ユウとショウゴ君は同時に声を出しました。
「神代、お前が探していたのは伊沢マサキか!?」
「イザワさんのいる所知ってるんですか!?」
やっぱり2人同時に声を出します。
「あれ?ショウゴ君に言ってなかったっけ?」
「ああ知ってるぜ」
色々な会話が混ざっています。
「「「えーと」」」
3人は言いました。
「とりあえずショウゴの話はおいておいて」
「あぁ、先に神代の話だな」
「お、お願いします」
「じゃ、仕切りなおして」
ツチヤさんが言いました。
「イザワのいる所だったな、確か奴は月の見える丘の上にいる筈だ」
「本当ですか!」
ユウはお礼を言って走り出そうとしましたが、
「ちょっと待て!」
と、ショウゴ君に止められました。
「今日アイツに会いに行くのは反対だ」
「え?」
「俺も教えておいてなんだが、ショウゴの意見に賛成だ」
ツチヤさんにも言われます。
「なぜですか?」
ユウは耳を下げて聞きます。
「今日は満月なんだよ」
外にはまんまるのお月様が出ています。
「いいか神代、狼族はな満月の日が1番危ないんだ」
「危ない?」
「そうだ、なにされるかわからないぞ。」
「最悪食べられたりしてな」
シンちゃんにも言われたような…でも
「それでも、僕はイザワさんに会いたいんです」
真剣なユウの思いに
「そうか、なら俺はもう何も言わねぇよ」
「ったく物好きな奴だな」
ショウゴ君とツチヤさんは諦め、ユウを送り出しました。
ユウは月の見える丘にたどり着きました。
イザワさんはここにいるようです。
「えーと…」
ユウは辺りをキョロキョロ見ていると
「神代、何か探しているのか?」
と後ろで声がして、慌てて振り返ると、そこには
「イザワさん!」
「ん?」
声の主はユウが探していたイザワさんでした。
ユウは思います。
やっぱり怖くないけどドキドキする。
食べられるかもとかじゃなくて…なんだろ…この気持ち。
「神代?」
「あ、あの僕イザワさんに会いたくて」
「俺に?」
「あ、あの…」
なにかイザワさんは怒っているようです。
「ここに俺がいると誰に聞いた?」
「ツチヤさんに」
「よけいな事を…」
「僕お邪魔でしたか?」
「いや、だが今日は俺に近づくなと言われなかったか?」
「言われました、だけどイザワさんに会いたくて…」
「言われたのに来たって事は何してもいいって事か?」
「え?」
突然ユウはイザワさんに抱きしめられました。
そのまま押し倒されて?
「イ、イザワさん!?何を?」
「満月の日は血が騒ぐ…」
「んっ」
ユウは口をふさがれました。
「僕なんて食べても美味しくないです!」
耳を下げてユウは言います。
「食べるの意味が違うけどな…」
「え??」
ユウは意味がわかっていません。
スルッと服の前をはだけさせられ胸をペロリとなめられます。
「あっ」
思わず声が出ました。
イザワさんに触れられるたびに体が熱くなってきます。
「んっ、イ、イザワさん…なんか体変です、熱くて何も考えられない」
「慣れてないな…」
「あっ…こ、こんなこと…はじめてで…」
「なにも考えずに全て任せろ」
「んっ」

森の夜は更けていきます…
「神代、昨日はイザワの野郎に何もされなかったか?」
ショウゴ君が言います。
「え?昨日満月だろ?ユウ大丈夫だったのか?」
シンちゃんも心配そうにたずねてきます。
「んーなんかドキドキして大変だった」
ユウは答えます。
「大変てお前、まさか食べられたり…」
「…なんか違う意味で食べられた…」
顔を真っ赤にして言います。
「あ、でもやっと、ドキドキの意味がわかったよ」
「「ん?」」
「僕イザワさんの事が…」

森のお話はまだ始まったばかりです。

END

 

なかなかイザワさんが別人なのが気になります。
と言うかこの設定、マイちゃんも狼か!!!
次書くなら誰を出そうかな…。
と言うかこれを基にしてマンガが描きたい…。
誰か読んでくれますか??